運送業界には多種多様なお仕事があります。なかでも集配業務は、企業から一般家庭まで様々なシーンで重要な役割を果たしています。普段の生活にもなじみが深い集配業務は、一体どんな業務内容なのでしょうか？
集配業務の業務内容をはじめ、気になる給与についても解説していきます。

集配業務は、「集めること」、「配ること」を主にしたお仕事です。ただし一口に集配業務といっても、取り扱うものや集配先は多岐にわたります。ここで、具体的な業務内容についてご紹介しましょう。

一般家庭への集配

一般家庭へ荷物などを届けるお仕事も集配業務となります。インターネットで購入された商品を配達することもありますし、必要に応じて集荷を依頼されることもあるでしょう。また、配達時に不在のケースも少なくありません。この場合は不在配達票をポストに入れておき、改めて指定された日に再配達します。

企業および各種施設内の集配

集配先は、一般家庭だけではなく、企業や店舗の場合もあります。お仕事内容としては、配達や集荷が中心ですが、企業向けの場合は荷物の重量や個数が多いこともあります。

医療検査物やクリーニング商品の集配も

集配業務で検索すると、意外な業務内容を見つけることもあるでしょう。たとえば医療検査物（血液など）をルート集配するお仕事も、集配業務のひとつです。この他、クリーニング受付店舗から工場への集荷、仕上がったクリーニング商品の配送も集配業務に含まれます。

集配業務は、運送業のなかでもよく知られた業務のひとつです。求人数も多いですが、求められる資格やスキルは、どういったものが考えられるでしょうか？

運転免許は必須

まず運転免許はほぼ必須です。ＡＴ限定であっても、普通自動車免許は保有している必要があります。2017年3月に改正道路交通法が施行されたことにより、準中型免許が新設されました。改正後に普通免許を取得した場合、2トン車なら運転可能ですが、それ以上となると準中型免許が必要になってきます。
基本的に集配業務は2トン車や軽トラックなどを利用している企業が多いため、普通免許があれば応募可能な場合がほとんどです。
（参照：ＪＡＦ：運転免許にはどんな種類と区分があるのですか？）

学歴不問の求人が多い

集配業務の求人条件では、多くの場合「学歴不問」と記載されています。なぜなら、学歴よりも運転技術やコミュニケーション能力などが集配業務にとって重要になるためです。特に、荷物の受け渡しの際には必要に応じてサインを求めることもありますし、礼儀正しい挨拶も欠かせません。
集配業務は、意外にも「人との関わり」があるお仕事といえるでしょう。

「体力自慢」も活かせるスキルのひとつ

手紙やメール便などは、1通であれば大して重くありません。しかし、段ボール箱が複数あれば、それぞれの荷物を玄関口や受付まで運ぶ必要があります。運転に関しても、渋滞にはまれば長時間運転席に座り、運転し続けなければならないこともあるでしょう。
体力には自信があるという方にとって、集配業務のお仕事は適性があるのではないでしょうか。

気になるのが集配業務の給与に関してではないでしょうか？ここでは、政府がまとめたデータをもとに、近年の集配業務（営業用普通・小型貨物自動車運転）の給与について見ていきましょう。

近年の集配業務の給与事情

厚生労働省のデータによると、営業用普通・小型貨物自動車運転者（一般労働者）の所定内給与額は平均23万9300円（2015年）。2018年については25万2300円と、少しずつ増えています。
年間賞与その他特別給与額について2018年は37万9600円、きまって支給する現金給与額（所得税・社会保険料などの控除前金額）は31万5700円であり、年収でいうとおよそ400万円程度と想定されます。
（参照：厚生労働省｜賃金構造基本統計調査の職種別賃金額）

働き方に応じて給与も変動

どんなお仕事にも言えることですが、早朝や夜間に近い時間帯に勤務すれば、それだけ給与アップも見込めます。また資格についても、中型免許を保有しているなど、乗り物の選択肢が増えればそれだけ優遇される可能性は高いでしょう。
集配業務の求人では、集配先が固定しているルート集配もよく見かけます。この場合はある程度勤務時間も固定していて安定した働き方ができる一方、収入面でも安定しており飛躍的な給与アップの可能性は低いかもしれません。
いずれにしろ、「働きやすさ」や「給与面」など重視したいポイントによって、勤務先・勤務条件を探してみましょう。

集配業務は、主に社用の自動車・軽トラック・2トン車など、乗り物の運転が必須のお仕事。そのため、難易度の高い国家資格などより、運転技術が何よりも重要です。逆に言うと、「運転が得意」という方にはおすすめのお仕事となります。
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