高齢者の熱中症対策~介護職員が押さえておきたいこと~

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高齢者の熱中症対策~介護職員が押さえておきたいこと~

例年、特に梅雨どきから秋ごろにかけては、熱中症の予防対策が欠かせません。なかでも高齢者の場合、暑さに対して感覚が鈍くなりやすく、介護職員のこまめな気配りも大切です。
今回は、高齢者の熱中症対策として、介護職員が押さえておきたいポイントについてご紹介します。

熱中症はどうしておこる?高齢者がなりやすい理由は?

近年、毎年のように「熱中症で複数人が病院へ搬送された」「夜中に熱中症になって倒れた」など、熱中症に関するニュースを耳にします。
そもそも熱中症とはどのようにしておこるのでしょうか?高齢者がなりやすい理由についても見ていきましょう。

熱中症がおこる原因

熱中症になってしまう理由については、さまざまな要因がありますが、大きくは環境面・体調面・行動面の3つが影響してきます。
環境面でいうと、高気温・高湿度・日差しが強い・屋内で窓を閉め切った状態・風が弱い・エアコンがない環境・急に暑くなりだした時期などが当てはまります。
からだ・体調面ですと、糖尿病や精神疾患などの持病がある・低栄養の状態・下痢などでの脱水状態・寝不足や二日酔いなどの体調不良・肥満体質・乳幼児や高齢者などです。
行動面では、激しい運動・慣れない運動・屋外での作業など。
こうしたさまざまな要因が引き金となり、熱中症につながります。(参考:環境省|熱中症予防情報サイト

高齢者が熱中症になりやすい理由

高齢者は体温調整機能が低下しがちで、加齢に伴って汗が出にくく、熱が体にこもりやすい傾向があります。
また、エアコンが苦手な高齢者も少なからずおられる一方、暑さに対して感覚が鈍いため暑さに気づかないといったことも。そのほか、水分摂取量が少ないことも要因のひとつにあります。
こうしたいくつかの要素が重なり、高齢者は熱中症になりやすい状態になってしまいます。

熱中症予防のための4つのポイント

介護施設には多くの高齢者がいらっしゃいます。熱中症を予防するためにはどうしたらいいのでしょうか。ここで、熱中症予防で心がけたい3つのポイントをご紹介します。

こまめな水分補給は大切!

上記で説明した「高齢者が熱中症になりやすい理由」にもあったように、高齢者の場合、自らが「のどが渇いた」と言う頻度が少ない可能性があります。
そのため、介護職員が水分補給の機会をきちんと設けることが大切です。
利用者さん本人が「いらない」といったとしても、体内では熱中症になりつつある可能性も否めません。定期的に水分補給する時間を設け、きちんと摂取してもらうよう徹底することが大切です。

室内環境を整えて

夏季に体調不良となるケースでは、室内・室外の温度差による「夏バテ」も少なくありません。高齢者の場合、手足の冷えなど「寒さ」を敏感に感じるケースも多いです。そのため28度程度など、利用者が寒くない程度に設定し、室内環境を整えることも重要です。
ただし、この場合、体を動かしケア・サポートをしている介護職員のほうが暑くて大変…という声も聞かれますので、職員自身も熱中症対策を心がけ、水分補給など徹底しましょう。

就寝時や入浴時なども配慮を怠らないよう

近年では、ご自宅で生活する高齢夫婦が就寝中、ともに熱中症になってしまうケースもありますで、就寝中の室内温度にも配慮しましょう。
また、就寝前や入浴前の水分補給なども重要です。特に睡眠不足や体調不良の場合には熱中症になりやすいともいわれるので、安眠できる環境をつくるように心がけましょう。

冷感グッズもうまく活用しよう

首に巻いて使うクールスカーフや冷感スプレーなど、現在では冷感グッズが数多く販売されています。クールスカーフは首に巻くことで、首の頸動脈が冷やされ、結果的に体内の血を冷やす効果があります。
冷感スプレーは日除け帽子の中や靴下、ストッキングなど蒸れやすい部分にスプレーしておくと効果的です。
数百円程度で購入できるなど、決して高額なものではありません。利用者さんはもちろん、介護職員自身も利用できるよう、準備しておくのも予防策のひとつです。

熱中症対策を講じて健やかなサポートを心がけよう

小さい子どもから大人まで熱中症は恐ろしいものです。特に見た目ではあまり判断できず、急激に症状が悪化するケースもあるので十分な注意が必要です。
健やかに過ごせる環境を整えられるよう、介護職員としても心がけていきたいですね。